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2005年1月27日 山川Eまどかの雑記帳
『HAPPY HOLIDAYSはPCなのかどうか?』
年末年始のカードやお年賀状のやりとりが一段落して、やはり紙の季節の挨拶は味わいがあっていいものだ、このままメールが浸透してもすたれることはないのだろうな、と改めて感じました。

ところで、この季節の挨拶に関しては、私の周辺だけかもしれませんが、『HappyHolidays』という英文の季節の挨拶が最近とみに目立って増えて来たような気がするけれどもどうして?と日本の友人からたて続けに聞かれました。何かそのようなことを感じさせる様なエピソードが日本でが起きたのでしょうか?というのが代わりに芽生えた私の疑問なのですが、さておき、"Happy Holidays"に関しましては、特に最近の言い回しということではなく、私の印象としましては、PCという言葉が使われ出した時がひとつのきっかけとなって、定着したような言い方であるという気がします。PCという言葉、ひいてはコンセプトがメジャーになったのもしばらく前(もう12〜15年くらいになりますでしょうか)だと思います。

PCとは、politically correct(政治的に言って正しい)ということで、今では日本でも定着していますが、まあ、意識としましては放送禁止用語みたいなものですね。言葉の言い換えによって、特に何も解決にはなっていないけれど、でも一応は弱者やマイノリティーに配慮をしているというポーズを取ると言うことで、批判をかわそうとする体制の自己防衛、というとなんだか乱暴ですが、でもこう言ってしまってもさして間違ってはいないと思われます。

今では、アメリカのインディアンは絶対的にネイティブアメリカンであり、黒人という人種はアメリカでは断固アフリカンアメリカンになっていたり。でもこれですと、例えばじゃあジャマイカとかハイチ出身の黒人の人はどう呼ぶのか(ブラック、とは言ってはいけないわけだから)とか、一瞬混乱するようなことも起きます。黒人の人自身が、自分達のことを『ブラック/ニガー』と呼ぶのはセーフだけど、黒人以外の人が使うと『差別だ!』となってしまうような呼称・・・まだまだ何も解決はしてないんですけど、でもとりあえずブラックとはいうのはPCではない(という意識が定着している)ので、今ではあまり耳にしません。

チェアマンをチェアパーソンという言い換え、ヒストリーの変わりにハ−ストーリー(彼女の物語り、ということなのでしょうが、此処まで来ると言葉遊びになってしまった感があります)を使おうという提案など、フェミニズムとも結びついた動きも活発なのかもしれませんが、マンにはマンカインド(人類)という意味だってあるわけですし(広く解釈すれば)私自身は言葉の性差別を気にしたことはありません。フェミニストの方々からは怒られそうですが。今では例えば看護士という言い方など、性別にこだわらない言い方が定着しているようですので、それはそれで良いと思って使います。でも助産婦とか、帰国子女とか、そのへんどうなのか、と聞きたい言葉もまだまだあります。なんとなく『言葉狩り』という言葉を連想させられる単なる言い換えというのは、あまり歓迎したくないという思いもあるのですが。

で、前置きが長くなりましたが(え、ここまで前置きだったのか、と驚かれるかもしれません)人種や性差別、そして宗教的な言葉を、極力誰からも非難されることのない穏便な言い方で表そうという動きの中でより使われるようになったのが"HappyHolidays"という、宗教的にニュートラルな言いまわしだったのではないかな、と。(あくまでも私の独断ですが)これならば、キリスト教徒が他の宗教を信じる人に配慮していないとはいえないだろう、どうだ、という尊大さが感じられて私はどうもキナ臭いとおもっているのですが、でもキリスト教徒以外の人に、うっかりと『楽しいクリスマスを!』と呼び掛けてしまうという失策は避けられますから。安全ということ以外にも、またクリスマスと新年との挨拶を一言で簡単に言い表わすことが出来るということで、広まったのではないでしょうか。

ところが。この冬になって、この言い方にいちゃもんが付き始めたのも事実です。ユダヤ系の友人に言わせますと、『これって、どうしたって使う時期が12月半ば以降なんだし、明らかにクリスマスのことを指すんだから、物わかりの良い人ぶってないで、素直にクリスマスって言ってもらった方がすっきりする!』という思いがあるのだそうです。同様の主旨の記事も目にしました。12月の始めには、ハヌカというユダヤ教のホリデーもありますが、『ハッピーハヌカ!』とユダヤ系でない人にわざわざ言われるのもなんだか無理に気を遣われているようで変、ということなので、素直に自分達は宗教的にニュートラルであるというフリをしたりせずに(どうせ家ではクリスマスツリー飾っているんだろうから、分っているんだぞ!)メリークリスマスと言った方がいっそ好感が持てる、という思いをオープンにしている人が増えた様な気がするのです。これは年代によっても異なる想いでしょうから、細やかな配慮が感じられる言葉だから良いというアメリカ人も多い筈です。だからこそここまで定着したのでしょうから。

その人の宗教が何なのかはっきりしない限り、"Happy Holidays"を使うのが『安全』であり、また明らかにクリスマスを祝うのが分っているような親しい仲であれば、クリスマス直前にはやはりストレートにメリークリスマスで良いような気がしますので、どちらが正しくて、メリークリスマスはPCではないということはないと思います。

ちなみに、私が12月に作った御挨拶のカードの文面に"Happy Holidays"を選んだ理由は、写真屋さんのカードサンプルの図柄で気に入ったものがこれだったからです。メリークリスマスですとやたら可愛いサンタの図柄しかなかったということ、それに私の家では、アメリカ国内の友人知人以外にも、日本にもお年賀の挨拶を兼ねて送りますので、あまりクリスマスだけに片寄ったメッセージになるのも如何なものか、ということで"Happy Holidays"が無難だったのです。でも思いますのは、日本の『良いお年を』に勝る挨拶はないのではないか、ということです。日本語の何気ない言い回しの良さは、日本にいないからこそ強く感じるのかもしれません。

遅ればせながら、2005年が皆様にとりまして素敵な一年となりますように。

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