TOP 展示TOP アクセス 今までの展示 ジェインの日記 画廊使用規約 リンク

『アメリカ雑記帳』 

山川エアマートまどか

STUDIO ART CENTERS INT. (フィレンツェ)留学。WITTENBERG UNIVERSITY (オハイオ州)美術学部・陶芸科卒業。フジテレビジョン 広報を経て、報道カメラマンとして勤務。退職後、アメリカに転居。フリーカメラマンをしながらイラストレーターに。(現在、ワシントDC近郊のヴァージニア州スプリングフィールド在住)

ウェブサイト  www.madokadoodle.com

2004年4月28日 『イースター』


暖かかったり寒かったり、アメリカ東海岸の四月はとても不安定でした。今回はアメリカの四月の行事、イースターについてです。イースターは日本語では復活祭と訳されていますが『3月21日以降の満月の後の最初の日曜日』という、うかうかしていると忘れそうな、非常に分かりにくい日付けの祝日です。ちなみに今年は四月の11日でした。イースターとはキリストの復活を祝ったのが始まりという説が一般的ですが、もともとはキリスト教よりも古い歴史を持つ土着の宗教の、春の訪れを祝う習慣が起源であるとも聞いています。アメリカの祝日の中でも、日本ではあまり馴染みのないものかもしれません。

子供を持つまでは全く興味のなかった行事でして、どうも商業的な匂いばかりが鼻につくと感じていました。キリスト教の色合いの濃いホリデーですけれど、子供達にとっては単にイースターバニーと呼ばれるうさぎが、かごいっぱいにお菓子やプレゼントを持って来てくれて、その後で卵さがしゲームをする楽しい日という認識でしかないのです。親は、イースターのためのうさぎの形のチョコレートや卵を染めるための染料を用意しなければ、卵も一パック多めに買わないと、と買い物リストを作る必要があります。しかし、商業ベースの煽動を感じつつも、イースターが来れば本格的に春なのだという思いを多くのアメリカ人が持っていることは確かです。日本のひな祭とノリが似ています。

(C) madoka

春の訪れを表す、多産のシンボルであるうさぎ(産卵、繁殖、など春という季節のイメージから)や、生命、誕生のシンボルである卵、そして卵から生まれるということでひよこ、がイースターの三大シンボルです。あらゆるお店ではパステルカラーに統一されたイースターモチーフのデコレーションがなされ、イースターにちなんだ卵型やうさぎ型のチョコレート、マシュマロにチョコレートをコーティングしたイースターにつきもののお菓子、ひよこの砂糖菓子など可愛いらしいものがお菓子の売り場に並ぶのです。

ハロウィーン、クリスマス、ヴァレンタインデー、そしてこのイースターは、アメリカの製菓業界の稼ぎ時です。それぞれの行事には、ヴァレンタインの赤、クリスマスは赤と緑、ハロウィーンの黒とオレンジ、そしてイースターのパステルカラー、とテーマカラーを基調にしたお菓子が勢ぞろいするのですが、例えば普段はどぎつい色のM&Mチョコレートなども三月くらいからパステルカラーになってしまいます。他のお菓子もパッケージデザインがパステルトーンにがらりと変わり、お菓子売り場を通るだけでピンクや黄色に染まりそうです。

最近は、お菓子以外でも商業的にイースターを盛り上げようとする意図があるのかないのか分かりませんが、クリスマスツリーならぬイースターツリーとも言うべきツリーを用意し、イースターモチーフを飾るためのオーナメント?以前は卵の殻を使って手作りで各家庭で用意していたものだと聞きます)が売られているのをよく目にするようになりました。お店でもカタログ販売でも、ホームパーティーに使えるイースターグッズ(パステルカラーのリネン類、ランタン、風船、バスケットやお皿などなど)が溢れています。思いますに、色が可愛らしいので多くの女性がつい手を出しやすいのでしょう。毎年イースターパーティーをする家も多いのですが、柔らかいパステルカラーがほんわかとした雰囲気をかもし出していて独特です。男性にとってはたまらなく落ち着かない世界です。

今月11日のイースター当日には、パーティーにお呼ばれして来ました。お昼に設定されたイースターディナーのメニューは、デビルズエッグと呼ばれる、ゆで卵にマヨネーズやビネガー、マスタードを混ぜて作るオードブル、イースターの卵にちなんででしょうか、卵をふんだんに使ったほうれん草入りのキッシュ、春の野菜の筆頭のアスパラガスのソテー、ポテト、メインのお肉はレモンとローズマリー風味のチキン、それに自家製パンというものでした。これらがアンティークの淡いピンクのお皿に盛られ、グリーンのテーブルクロスの上に並ぶのを見ると、本当に春らしいのです。テーブルの上のかごに入った色とりどりの卵のデコレーションや、花瓶の黄色のチューリップも絵に書いた様なイースターを演出していました。男性は料理にしか目が行っていない様子でしたが(今年はイースターっていつだっけ、というまぬけな質問をした男性もいました)女性陣はセッティングも味わうゆとりがあるのです。

イースターにつきもののデザートは、何といってもショートケーキなんだそうです。日本の柔らかなスポンジケーキとは違い、アメリカでいうショートケーキとは、スコーンに似た甘さが控えめのケーキに、泡立てたクリームと苺をたっぷり添えていただくものです。そしてピンク、ベイビーブルー、クリームイエローなどのパステルカラーにコーティングされた卵型のチョコレート達。イースターを目でも口でも堪能して、ああやっぱりこういうものに『わああ!』と喜べるという自分はやはり女なのだなあと思ったものでした。






TOPに戻る

アメリカ雑記帳目次 『イースター』