Bartok Gallery   info@bartok-eye.com
INDEX HOME MAP 規約 member What’s New 掲示版 リンク
ジェインProfile ★ジェイン仕事風景 ジェインBook よくある質問 展覧会情報 今までの展示 サイトマップ
2004年6月 山川Eまどかの雑記帳
『ポートフォリオ・デー』(2004年9月23日)
少し前に、ワシントンDCとその周辺(DCメトロポリタンエリアと呼ばれる、ヴァージニアとメリーランドの両州)在住のイラストレーターの集まりである、イラストレータークラブ主催で、ポートフォリオデーが開催されました。一年おきに行われるこのイベントは、出席者が自分のポートフォリオやプロモ−ショナルマテリアル(葉書、名刺、作品サンプルなど)を、この地域の編集者や、アートディレクター、デザイナー達に配り、仕事のきっかけを作ったり、顔を合わせて話をする機会を持とうというのが主旨で、かなり人気があります。自分でサンプルの送り先を調べたり、切手代を払って郵送しなくても、クラブが大量の案内通知をあちこちに配るので、参加費を払ってでも自分のブースを確保して、自分の作品を見て欲しい、サンプルを持って帰って欲しい、という思いの100名あまりの参加者で賑わいます。
Phot Madoka


今年はナショナルジェオグラフィックマガジン(黄色のフレームの雑誌、といえば皆さんにお馴染み)の本部ビルが会場として使われました。平日の夕方の開催ですので、仕事帰りに立ち寄ってくれる未来のクライアントのためにジャズバンドが入り、カナッペやソフトドリンク(アルコールはそれぞれ自費でバーで購入)それにサンドイッチやチキンラップなどの軽いフィンガーフードが置かれます。イラストレーター達もそれぞれ音楽や軽食を楽しみましたが、だんだんと各ブースに立ち寄るアートディレクター達との会話の方に集中しないといけなくなります。

アメリカでは、なにしろ広い国ですので、同じ都市に住んでいない限りは、そう簡単に顔を合わせての会議や打ち合わせは難しいです。神奈川在住のイラストレーターが、打ち合わせのために東京に出ることは珍しくなくても、マンハッタンの編集者が、コネチカットのイラストレーターを打ち合わせに呼ぶことはありません。ごく稀にローカルアーティストだけを採用したがる人もいますが、大旨、アートディレクター達は、顔と顔を合わせることには無頓着で、例えば10年間も一緒に仕事をしていても、一度もクライアントとアーティスト同士で顔を見たことがないということは珍しくあり
ません。

以前は電話やファックス、現在は主にメールで打ち合わせが出来ますし、ラフスケッチもスキャナーを利用したりして、時間を浪費せずに密なコンタクトが持てる時代です。コンセプトが口頭でも文字を通してでも、とにかくイラストレーターに伝わって、結果が良ければ、納品の方法だってフェデックスでもメールでもディスク郵送でもなんでもいいよ、といいます。イラストレーターが、作品を持参し、納品がてらちょっと編集部に顔を出して顔つなぎの挨拶でも、ということはあまりないのです。アメリカでは皆忙しい時間を取られるという理由で、このような会社への訪問は歓迎しない習慣がありますので、この辺りは日本の方が敷居が低く、パーソナルな営業もしやすいのかもしれません。

アートレップと呼ばれる、イラストレーターやファインアーティストの代理人兼営業請け負い人も、作風だけがポイントであり、顔を合わせたことがあるから決める、決めないという選び方はしません。ということで、DCで数十人のイラストレーターのエージェント=レップをしているドナは『自分の事務所のイラストレーターで、顔見知りなのはこの地域に住んでいる人達でメンバーの半分くらい、あとは東海岸に住んでいる人で、たまたまDCに来た時に立ち寄ってくれた人と会ったことはあるけど、でも西部に住んでいる人なんて会うことはこれから先もないんじゃないかしら』と言っていました。『顔を見たいとか、どんな人なのか、とか気にならない?』と聞いても、『気にならないといえば嘘になるけど、人となりはある程度仕事の付き合いがあれば徐々に分かるし、仕事さえきっちりやってくれる、才能ある人かどうかだけが大切』ということでした。

また、男性のデザイナーは『自分が仕事で付き合いのあるアーティストが、どんな顔か、結婚しているか独身か、またはどこに住んでいるかも気にしない。コンセプトを伝える電話をするから、男か女かくらいは分かっているつもりだけどね』とのこと。(支払いは経理など他の部署が担当する場合は、イラストレーターの住所さえも知らないことも珍しく無いとか。電話番号、ファックス番号、メールアドレスがあれば用件は足りるそうですので)

人間的に少々難ありでも、仕事をきっちり仕上げてくれるのならば人となりは気にしないという意見が多い印象でしたが、それでも人間は人間同士、名前だけしか知らなかった人と、直接会って話すのは楽しいだけでなく、有益でもあります。とはいえ、話が飛躍的に盛り上がるのは、イラストレーター同士の会話でした。名前だけは知っているし、よく目立つ作風だったから気になっていたんだけど、あれはあなたでしたか!というような会話はイラストレーターがふたり以上いればいくらでも続きます。どんなきっかけでこの仕事を始めたか、あのミディアムは何か、あれはデジタル処理をしているのかしていないのか、などお互いの作品集を手にして、語りに気合が入ります。終わってみれば、私もそうですが他の人も、イラストレーター同士の親睦が、真の目的のポートフォリオデーに違いない、という感想を言い合いました。日本のイラストギャラリーのオープニングパーティーの雰囲気と少し似ているのかな?とも思うのですが、どうでしょうか。

TOP




© 2003-2004 Bartok Gallery.All Rights Reserved.  (info@bartok-eye.com)
このホームページの写真イラストデザインなどの無断転載・複製を禁じます